2026年1月、ドライバー派遣会社「ISANA」の元社長・小山田栄一容疑者(77歳)が道路運送法違反容疑で逮捕されました。
この逮捕は、2025年10月に発生した劇団員・高橋智子さん(39歳)の死亡ひき逃げ事故の捜査過程で発覚した大規模な白タク行為によるものです。
約1億7000万円もの売上を上げていた違法営業の実態が明らかになり、社会的に大きな注目を集めています。
白タクとは何か
白タクとは、国土交通大臣の許可を得ずに有償で旅客を運送する違法行為を指します。
正規のタクシー事業者は、厳格な安全基準や保険加入、運転手の資格要件などをクリアする必要がありますが、白タクはこれらの規制を逃れて営業しています。
道路運送法では、白タク行為は3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される犯罪行為です。
死亡事故から発覚した組織的違法営業
事件の発端は、2025年10月に発生した居眠り運転によるひき逃げ事故でした。
ISANA社の白タク車両を運転していたドライバーが、自転車に乗っていた劇団員の高橋智子さんを撥ねて逃走し、高橋さんは死亡しました。
警視庁がこの事故を捜査する過程で、同社による組織的な白タク行為が明らかになったのです。
小山田容疑者はキャバクラ店など12店舗と契約し、ホステスの送迎サービスを提供していました。
料金設定はタクシーの約7割程度と割安で、深夜勤務のホステスの移動手段として利用されていました。
年間1億7000万円の売上規模
警視庁の調べによると、ISANA社の白タク営業による売上は1年間で約1億7000万円に上っていたとみられています。
この規模の違法営業は、単なる個人的な副業レベルではなく、組織的なビジネスとして展開されていたことを示しています。
小山田容疑者は法律違反の自覚がありながら営業を続けていたとされ、その悪質性が問題視されています。
正規のタクシー事業者が法令遵守のためにコストをかけている中、白タクは不公正な競争を行っていたことになります。
風俗業界で横行する白タク問題
警視庁は、深夜勤務の風俗業界で白タクが横行している実態を指摘しています。
キャバクラやホストクラブなどの店舗側は、従業員の送迎費を削減できるメリットがあります。
一方、従業員側も割安な料金で深夜の移動手段を確保できるため、需要と供給が一致していました。
しかし、白タク車両は正規のタクシーと異なり、以下のようなリスクがあります。
- 運転手の資格や適性が不明(今回の事故も居眠り運転が原因)
- 事故時の補償が不十分な可能性
- 車両の安全基準が未確認
- 利用者の安全が保証されない
今回の事件は、コスト削減を優先した結果、人命が失われるという最悪の事態を招きました。
白タク問題は単なる法律違反にとどまらず、公共交通の安全性を脅かす社会問題として、改めて認識される必要があります。
今後、同様の違法営業に対する取り締まり強化が求められるでしょう。
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